中国での語学留学
中国に留学する場合、一般的なのが「語学留学」と呼ばれるものです。短いものでは数週間、長いもので1学期から2年程度、中国の大学に留学します。
この語学留学は年齢などの条件を満たしている限り、大学に入学申請を出せば誰でも入学できます。学費さえ払えば、誰でも天下の北京大学の留学生になれます。
入学試験も何もなく、入学申請さえすれば入学できます。その代わり大学の卒業資格は取れません。試験も単位取得も卒論もないんですから、大卒資格がもらえないのは当たり前のことです。
中国での本科留学
これに対して、試験に合格して入学し、4年間勉強して卒業するのが「本科留学」です。「正規留学」という言い方もしますが、中国国内での正式な名称は「本科留学」です。
入学試験があるだけでなく、授業に出て単位を取らなければなりませんし、学期ごとに試験があり、点数次第では単位を取得できません。最終的には卒業試験を受け、卒業論文を書く必要があります。
その代わり、本科留学では大学の卒業資格を得ることができます。これが本科留学と語学留学の最も大きな違いです。
- 語学留学
- 本科留学
- 留学する期間
- 数週間〜2年
- 4年
- 入学試験
- なし
- 有
- 単位取得
- 不要
- 必要
- 卒業論文
- なし
- 有
- 取得する資格
- なし
- 大学卒業資格
例えて言えば、語学留学は大学キャンパス内にある語学スクールに通うようなもの、本科留学は日本で大学に通う代わりに中国の大学に通う、この違いだと考えてください。
本科留学で学ぶこと
本科留学の内容は大きく分けて2種類あります。一つは「専門科目」を学ぶ本科です。法律や経済、工学や理学や薬学など、専門的な科目を学びます。
授業は中国人学生と一緒に受けます。当然、全て中国語です。ですので、早稲田大学の法学部に中国人の王さんが入学して日本人と一緒に日本語で授業をうけている。ちょうどそれの逆バージョンです。
もう一つは4年間かけて「中国語」を学ぶ本科です。これを他の本科とは区別して「漢語本科」と呼びます。
漢語本科は特殊な本科です。学生は留学生だけで、クラスに中国人学生はいません。留学生だけで4年間かけて中国語を学びます。授業は中国語で行われ、試験も卒論も中国語で書きます。
ただ、漢語本科は4年間かけて中国語を学ぶわけですから、入学時点で求められる中国語力は、専門科目を学ぶ本科ほど高くはありません。
漢語本科は例えて言うと、慶応大学に留学生向けの特別クラスがあって、そこで4年間かけて日本語を学んで、慶応大学の卒業資格を取る、というものです。